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ドッグスクール便り

2005年07月26日(火)

「犬の学習方法」について [ワンポイントアドバイス]

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パパさんの足元で寛ぐレイナちゃん

昨日の事ですが、夜のお散歩で以前しつけ教室に通ってくださっていた黒ラブのレイナちゃん&パパにお会いしました。ひさしぶりに会ったレイナちゃんは相変わらず元気いっぱいでしたが、ちょっと大人になったような感じもしました。パパさんの休日には、琵琶湖やドッグランに連れて行ってもらっているそうです。幸せな毎日を送っているんだね、レイナちゃん!!とっても微笑ましいレイナ&パパでした。

さて、今日は少し難しいテーマですが、「犬の学習方法」についてお話します。

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お友達のブラウニーちゃんと

ミキコドッグスクールでは犬の学習理論と行動学に基づいた方法を取り入れ、しつけ教室を行っています。
望ましい行動が出た時に報酬を与え、その行動を強化していき、望ましくない行動に対して報酬を取り去る方法です。
では、犬はどのように学習していくのでしょうか。学習理論を例を出して説明してみます。

例:玄関で飼い主を出迎える時

  1. 犬がオスワリの行動をとったら食べ物(報酬)を与える。オスワリ行動の後に良いことが起こったので、オスワリの行動は増える。これを正の強化という。
  2. 犬が飛びつくと、飼い主は外に出て扉を閉めてしまう、または無視をする。飛びついた行動の後良いことが無くなってしまったので、飛びつく行動は減る。これを負の罰という。
  3. 犬が飛びつくと、大きな音を出す、または怒鳴る、または叩く蹴る。行動の後に嫌な事が起こったので、飛びつく行動が減る。これを正の罰という。
  4. 犬がオスワリをするまで首輪を高く持ち上げ続ける、またはリードを上にあげ続け、オスワリしたら放す。オスワリの行動をしたら嫌な事が無くなったので、オスワリの行動が増える。これを負の強化という。

この4つの分類からなる学習方法を「オペラント条件付け」と言います。犬は自らの行動による結果によって学習する生き物です。ですから、自らの行動の結果良いことが起こればその行動は増えます。逆に悪いことが起こればその行動は減ります。犬は何らかの結果を引き出すために、必ず何か行動を起こします。行動をすることで状況をコントロールし、結果を生み出すのです。

私は、飛びつきを直すのに、正の強化負の罰を使います。
飛びつかずオスワリしたら良いことが起こると学習させるのです。このやり方でたいていの犬はオスワリできるようになります。それで効果が得られない場合には、犬の状態を注意深く観察しながら、正の罰や負の強化を使う時もあります。正の罰には体罰も含まれますが、もちろん体罰は一切使いません。何故なら体罰を使うよりもっと効果的な方法がある事を知っているからです。
常に目標は、犬が不快な状況に陥ることが最小限であるということです。
飛びつきに、正の罰や負の強化を使用する場合は、効果があらわれているか、的確な評価をしなければなりません。何故なら、罰がその行動を悪化させ、違う問題行動を引き起こす可能性があるからです。

例えば、飛びつく行動に怒る、叩く等の正の罰を与えたとします。犬は一時的に動揺して、飛びつく行動を取らなくなるかも知れません。ですが、帰宅した飼い主に飛びつくと嫌な事が起こると学習しただけで、客に飛びつく行動は無くなりません。飼い主は客に飛びつく犬を自分がされた時よりもっと強く叱り付けることになります。今度は飼い主が客用のお茶を用意している間、飼い主が見ていない間に客に飛びつこうとします。ここで犬の飛びつきは成功を遂げます。慌てて飼い主が犬と客のところへ行った時には飛びつきは成功した後です。犬は益々飼い主のいない所で飛びつきを成功させようと考えます。飼い主は犬にもっと大声で怒鳴る事になります。また、客がいる時に嫌な事が起こると理解してしまう可能性もあります。客=罰と認識してしまうかも知れません。

最初は嫌だった飼い主の大声も、どんどん慣れていってしまいます。結果飼い主はより強力な罰を使わざるを得なくなってしまいます。

  • 犬は飼い主が見ていない所で飛びつき行動をする。
  • 客と罰を関連付けて、客自身に不快感を覚え家に来る客に吠えるようになる。その客と同じような風貌の人を嫌いになる。
  • 飼い主自身に不快感を覚え、飼い主が近づいて手を出しただけで唸る、咬む行動が出る。

といった事が出てくる可能性があります。もちろんこれは可能性であり、犬に大声で一括しただけで飛びつく行動がなくなる事もあります。ただ、それはほんのわずかです。

ですから、「犬に罰を与えて望ましくない行動を消去する」ということは慎重にしなければなりません。そして、その罰が犬にとって確実に不快なものでなければならないということ、行動が出た時に必ず罰を与えること、罰を与えたことによって本当にその行動が減っているか評価しなければならないこと、を知っておくことが重要です。

悪いことをした時にはきちんと罰を与えなければならない、ということをよく耳にしますが、その罰が犬の経験にどのような影響を及ぼすか、また新たな問題を引き起こす可能性があることを知り、果たして効き目が本当にあるのかどうかを冷静に判断しなければなりません。

罰については、次回のテーマ「罰と報酬について」でも触れていきます。

参考文献
デルタ協会(2004年)『ドッグトレーナーのためのプロフェッショナル基準:効果的かつ人道的原理』D.I.N.G.O.
テリー・ライアン(2004年)『テリー先生の犬のしつけ方教室』(社)日本動物病院福祉協会
ジーン・ドナルドソン(2004年)『ザ・カルチャークラッシュ−動物の学習理論と行動科学に基づいたトレーニングのすすめ』レッドハート(株)

Posted by 山本 美貴子 at 23時59分

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